『昨夜のカレー、明日のパン』
何だかのんびりして、背伸びをしていない印象を受ける題名.
2014年本屋大賞「村上海賊の娘」についで2位だった作品です.
気になり、予約していました.
順番がきたので図書館に早速取りに行きました.
いつもですが、楽しみにしていた訳なので少しずつ読もうと思っていたのに
飲み会で彼が居ない間に全部読んでしまいました.
楽しみはあっという間に終わってしまいます.あぁ
テレビドラマ「すいか」「野ブタ。をプロデュース」「セクシーボイスアンドロボ」「Q10」の脚本家
木皿泉氏の初めての小説だそうです.
あ、でも私 ドラマほとんど観ていないので上記のものほぼ分かりませんが…笑
悲しいのに、幸せな気持ちにもなれるのだ。
7年前、25歳で亡くなってしまった一樹。
結婚から経った2年で遺されてしまった嫁のテツコと
一緒に暮らし続ける一樹の父ギフは
周りの人々とともに
ゆるゆると彼の死を受け入れていく。
-帯表紙より-
何度も涙の出る直前のような熱いものが込み上げてくる作品なのに
綴られる会話が柔らかくて、
帯表紙にもある言葉通り、悲しいなかにも、幸せを感じる作品でした.
やわらかいコトバが紡がれていく物語が
私のすぐそこにありそうな日常で
とても読みやすかったです.
一部紹介…
「自分には、この人間関係しかないとか、この場所しかないとか、この仕事しかないとかそう 思い込んでしまったら、たとえ、ひどい目にあわされても、そこから逃げるという発想を持てない。呪いにかけられたようなものだな。逃げられないようにする 呪文があるのなら、それを解き放つ助文も、この世には同じ数だけあると思うんだけどねぇ」
「動くことは生きること。生きることは動くこと」と怖い顔で言った。
「この世に、損も得もありません」
それが母の口癖だった。
「それが生きることだよね」
是非読んでみて、素敵なコトバに出会ってください.
何気ない日々にちりばめられた“コトバ”のなかに自分が欲しい“コトバ”があると
心に浸みて、何かが動き出そうとするのかも知れません.
8編あるのですが
一番好きだったのは、1編のムムムの岩井さんのシップを剥がすシーン
ゆるいというか、ほのぼのして好きです.
登場人物テツコもギフも、その他周りの人々も素敵で
読んだあと、なんだか切ないんだけど温かくなる不思議な作品でした.
もし大切な人が無くなって死を受け入れられないときがきたら、手に取りたい本です.
逆に、私が亡くなって受け入れられない人がいたら読んで欲しいかもしれません.
「テツコさん、これ、手放して一樹のこと忘れてしまわないの?」
「死ぬまで忘れない」
逆に、私が亡くなって受け入れられない人がいたら読んで欲しいかもしれません.
「テツコさん、これ、手放して一樹のこと忘れてしまわないの?」
「死ぬまで忘れない」
題名『昨夜のカレー、明日のパン』も読んだら分かります.
見えなくてもいる余韻に浸りました.
さ、
今日も無事に、そして素敵な一日を.
+++
+++
0 件のコメント:
コメントを投稿